鍼灸の“はり”は痛くない!?その理由についても解説
鍼灸に興味はあっても、受けたことがないと“鍼は痛いのではないか?”と思われている方もいらっしゃると思います。
今回はそんな不安が解消できる様に、鍼の特徴と痛くない理由、まれに痛みを感じてしまうタイミングをあわせてご紹介いたします。
目次
- ○ 鍼灸の“はり”の特徴と痛くない理由
- ・痛くない理由①細くて“しなる”鍼を使うから
- ・痛くない理由②管鍼法という施術方法だから
- ○ 鍼灸の“はり”が痛いと感じる場合とは?
- ・鍼が毛穴や痛点に刺さった場合
- ・鍼の“ひびき”を痛いと感じる場合
- ○ 初めて鍼灸の“はり”を受けられる方へ
- ○ 最後に
鍼灸の“はり”の特徴と痛くない理由
鍼=「注射針」を連想する方が多いかもしれません。
実際は鍼の先端の形状は注射針とは異なっており、肉眼ではわからないものの、わずかに丸みを帯びています。
この丸みによって刺す時に痛みを感じにくくなっています。
他にも鍼の特徴をふまえて、痛くない理由を解説いたします。
痛くない理由①細くて“しなる”鍼を使うから
使用する鍼はとても細く繊細に作られています。
太さは0.10〜0.34mm程のものを、部位や症状によって使い分けます。
毛髪は0.08〜0.15mm 注射針は0.7〜0.9mm
とされていますので、注射針の約3分の1且つ毛髪とほとんど変わらない太さになります。
また、鍼は“しなる”ので、体内で折れることもなく、痛みが出にくい構造となっています。
痛くない理由②管鍼法という施術方法だから
鍼をする時は、「鍼管(しんかん)」という道具もあわせて使用します。
これは筒状の形状をしており、この中に鍼を入れ、上から出ている鍼をトントンと優しく叩いて体内に刺します。これを切皮(せっぴ)と言います。
鍼管がある事で切皮の際に周辺に適度な圧で固定されるので、鍼がブレることなくスピーディーに刺入できる為、痛みが出にくくなります。
鍼灸の“はり”が痛いと感じる場合とは?
鍼師は常に細心の注意を払って鍼を刺入しますが、稀に痛みを感じることがあります。
それはどういう場合なのかをご紹介いたします。
鍼が毛穴や痛点に刺さった場合
鍼が毛穴や毛を巻き込んで刺さってしまうと痛みを感じます。
また皮膚には痛点というポイントが点在している為、ここに鍼が当たると敏感に痛みを感じてしまいます。
鍼の“ひびき”を痛いと感じる場合
鍼を刺して皮膚下で動かす際に、ズーンもしくはビリっといた感覚になることがあります。
これを「ひびき」と言いますが、慣れてない状態または体質的に、この感覚が痛いもしくは苦手だと感じる方もいらっしゃいます。
初めて鍼灸の“はり”を受けられる方へ
鍼灸は、不眠や耳鳴り、めまいといった不調な状態を改善できる他、
『こり・痛み・しびれ』などの症状に効果を発揮できる施術方法です。
発熱や外傷であったり、吐き気を伴う激しい頭痛などのいわゆる急性症状は、先ず病院に行くことをおすすめします。
鍼に興味はあっても痛みに不安感がある方は、施術者にその気持ちを伝えた上で、
まずは極細の鍼で1~2箇所受けてみるのも良いかもしれません。
頭や顔に刺せる極細で短い鍼がありますので、
“鍼は痛いのではなく気持ち良いものなんだ”という感覚を徐々に身体に慣らしていくのも手段のひとつです。
最後に
本来鍼は痛くない、その理由と、稀に痛みを感じてしまう場合をあわせてご紹介いたしました。
鍼灸の良さを知っていてお伝えすることはできても、必要以上に恐怖心や不安感を抱いている方に無理におすすめする事は決してありません。
術者との信頼関係を得た上で受けてみるのも良いと思います。
人の身体は常に変化しています。
施術を受ける際に、今回の記事がその時のご自身の体調や気分に見合う判断基準としてご活用ください。