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あん摩と指圧の違いとは?あん摩にしかない7つの手法を解説!


「あん摩」と聞いてどのような方法を思い浮かべますか?
もむ・さする・たたく などの他にも実は特殊な手法もあり、熟練された人の施術を受けると、
まるで全身の筋肉が踊りだすような、リズミカルで心地よい感覚を得られることができます。
今回は特にそんな「あん摩」の手技に注目して、指圧との違いをふまえて、
ご自身の好みを見つけていただけるよう、解説いたします。

目次

名前に込められている「按摩(あんま)」の意味

あん摩は中国発祥の手技療法であり、衣服の上から体幹→手足の方向(遠心性)で行います。
そもそもなぜ「按摩(あんま)」と言うのか?
手技の根底にある東洋医学の理念と、使用されている漢字の意味を簡潔にご説明いたします。

東洋医学の基本のキ

東洋医学は以下の3つの概念があります。

・『気』
生命活動を維持する源。 
食事や空気など自然界のエネルギーを取り入れて、エネルギーを活性化する

・『陰陽論』
  自然界のあらゆるものは「陰」と「陽」のどちらかに分類でき、そのバランスを保ちながら安定しようとする

・『五行説』
  この世のあらゆるものは、「木・火・土・金・水」の5つの要素にあてはめることができ、相生(助け合う)、相克(抑制し合う)の関係で成り立っている

「按」と「摩」それぞれの意味

按摩の按は「おさえる」、摩は「なでる」というそれぞれの意味があります。

双方の力加減でいえば、

おさえるは「強=瀉(しゃ):滞りを流す」、なでるは「弱=補(ほ):おぎなう」

であり、あん摩は強弱のバランスはもちろん、あらゆる手法を組み合わせて、
症状や部位に対応することができる柔軟性のある療術ともいえます。

7種類のあん摩の方法

あん摩は指圧と同様に手を道具として使用し、なでる・さすることがルーツとされています。
時代の流れとともに研究が進み、西洋医学の観点も取り入れられた方法で現在に至っています。
あん摩の基本手技といわれる7つの方法を、作用効果とあわせて解説いたします。

軽擦法

軽擦(けいさつ)法とは、手のひらや指先に適度な力を加えながら、なでる、さする方法です。
弱い刺激は爽快な感覚を引き起こし、強い刺激は代謝を高めたり、痛みを和らげる作用があります。

揉捏法

揉捏(じゅうねつ)法はその名の通り揉みます。
おす・こねる・つまむ・しぼるという方法で主に筋肉の循環を良くし、
代謝を高めたり、組織の機能回復に作用
します。

叩打法

叩打(こうだ)法は叩きますが、その叩き方にも種類があります。
拳・開いた手の小指側の縁・親指以外の四指の指先 方法は左右交互に叩き、
合掌した小指側・左右の手のひらを交差して合わせる 方法は両手で叩きます。

リズミカルな刺激なので、神経や筋肉を興奮させ、血行が良くなります

圧迫法

圧迫法は、部位によって親指・四指・手のひら全体を使い分けて、深部に向かって圧迫します。
神経痛の痛みを和らげたり、痙攣をおさえるなどの効果があります。

振せん法

振せん法は術者の指先や手のひらを振るわせてその振動を伝える方法です。
携帯のバイブレーションを想像して頂くと、わかりやすいかもしれません。
腕や脚を牽引する(引っ張る)ようにしながら振るわせる方法もあります。
神経や筋肉を興奮させたり、快い感覚を得られることができます。

運動法

運動法は関節の曲げ伸ばしを行います。
仰向けや座った状態で各関節の運動方向に沿って、できる限り大きく・広く動かします。
関節内の血行が良くなり、関節が動かしやすくなります

曲手

曲手(きょくて)とは叩打法が変形した、あん摩独特の手技といわれています。
イメージの一例として、体操のマット運動をご想像ください。
でんぐり返りや鉛筆転がりの様に、手のひらや指を反復に転がしたりします。
術者も習得が難しい、独特な手法でもあります。

あん摩のやり方で自分でも出来る按腹療法

按腹(あんぷく)とは、あん摩でお腹を施すことを意味します。
主に軽擦法・揉捏法・圧迫法を組み合わせて行います。

ご自身でもできる方法としては、
①時計回りに10回程、お腹を軽くなでる
        ↓
②両手をそえる、もしくは重ねて指先と手のひらでやさしく揉みほぐす
        ↓
③両手の四指で3〜5秒程、お腹の右下から時計回りに四ヶ所・おへその下・おへその上を押す
        ↓
④もう一度、時計回りに10回、お腹を軽くなでる
        ↓
⑤両手を30秒程お腹にそえて深呼吸する



立ったままでもできますが、できれば仰向けになった状態で行うとよりリラックスできます。

最後に

指圧は三原則を基に押圧する方法に対し、あん摩は手を変幻自在に動かして、
時には細やかに、また時には大胆に患部やからだ全体にアプローチする方法です。

治療方法は術者との相性はもちろんのこと、その方法も好みが分かれて当然です。
今回の内容も、ご自身が一番しっくりくる施術方法と出会う情報のひとつとして
目を通して頂ければ幸いです。



指圧・マッサージ・あん摩についての違いに関しては↓こちらの記事をご覧ください。

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